太陽光発電で非常用電源を確保する防災型街路灯「TOMORIe~灯りへ~」
矢木コーポレーション 株式会社

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最終更新日: 2018年9月10日

 矢木コーポレーション株式会社は、道路の案内標識や路面標示など「標識」を中心に、道路関連設備の設計、製作、販売、施工を行う企業です。県内で唯一、標識等を製作する工場を持ち、高精細な印刷技術や強度計算システムにより高品質で高い耐久性のある製品を製作しています。それが強みとなり県内の道路標識では圧倒的なシェアを有しています。東日本大震災を契機に、こうした高い技術力を防災に生かしたいとの思いから、2011年に開発したのが防災型街路灯「TOMORIe ~灯りへ~」です。

▲矢木コーポレーション株式会社本社

太陽光発電で災害に強い自律型街路灯「TOMORIe~灯りへ~」

 TOMORIe は、太陽光発電により蓄電した電力で、夜間に照明を灯す自律型電源の街路灯です。災害時に人々が集まれる明るい場所を増やしたいとの強い思いと、人々の心に明かりを灯すとの願いも込めてこの名前を付けました。
 災害では、発電所が被災したり送電線が切断されて電力供給がストップすることがあります。そうした事態を想定し、TOMORIe は、太陽光発電による自律型電源を採用しています。
 ただ、太陽光発電は一般的に天候等により発電量が不安定になり易いです。この点、TOMORIeは安定した発電をするための3つの特徴を持っています。
 一つ目は、両面受光型太陽光パネルにより、表裏両面で光を受けて発電が出来るため、どの方角に向けて設置しても安定した蓄電が出来ることです。二つ目は、太陽光パネルを垂直に設置し、降雪の多い地域でもパネル上への積雪がほとんどなく、冬でも十分な発電ができることです。三つ目は、太陽光パネルを強化ガラスで挟むことで高い密封性が確保され、湿気に強く太陽光パネルの性能が長く保たれることです。
 さらに、非常用電源/非常用コンセントを内蔵しており、災害時の安否確認の手段等として欠かせない携帯電話やスマートフォンの充電ができる点も大きな特徴です。こうした点が評価され、県内のみならず北海道新幹線の新函館北斗駅や、東日本大震災の被害が大きかった東北地方の自治体をはじめとして、全国で多数採用されています。

▲県立駒場公園(佐久市)のハイブリッド型街路灯(太陽光発電と
ポール頂部に風力発電を備えている)

 

付加価値を高め、観光関連など未来へ向けたインフラとしても提案していく

 TOMORIe シリーズには、街路灯型のほか、屋根に太陽光パネルを入れたシェルター型やシティチャージと言われる携帯電話やスマートフォン専用の無料充電スタンドなどもあります。また、公衆無線LAN(Wi-Fi)関連機器を付けたタイプの設計も試みています。
 今後は、地方の観光地や市街地でも充電やWi-Fiのニーズが高まります。こうした点も踏まえ、観光インフラとして観光地へ売り込んでいきたい方針です。

▲エムウェーブ(長野市)のバスシェルター

 


 

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