世界水準の芳醇な渋味を持つ「高坂りんご」のシードル
株式会社 サンクゼール

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最終更新日: 2018年8月10日

 株式会社サンクゼールは、ジャムやワインなどの食品製造とともにワイナリーやレストランの経営、「St.Cousair(サンクゼール)」「久世福商店」などの小売店を全国に140店舗以上展開しています。 同社が今、力を入れている商品の一つがりんごを発酵させてつくるシードルだ。原料を飯綱町産りんごに限定し、ふじ、ブラムリー、メイポール、高坂の4種類のシードルを醸造販売しています。

苦みと渋みが織りなす独特の風味

 中でも「いいづなシードルふじ・高坂りんご」で使用される高坂りんごは、飯綱町でしか栽培されておらず、町の天然記念物になっています。
高坂りんごは、和りんごの一種でありますが、西洋りんごの普及により日本からほぼ姿を消してしまっていました。しかし、旧牟礼村(現飯綱町)の農家故米澤稔秋氏が、和りんご存続のため村内に1本残っていた木から個人的に根分けして少しづつ増やし、現在、飯綱町では14件の農家が栽培するに至っています。独特の苦みと渋みがあり、このりんごを原料にすることで、ふじを使った甘いシードルと異なり、独特の風味を持つシードルができます。

▲高坂りんごを使用した「いいづなシードルふじ・高坂りんご」

イギリスのシードルライターも高く評価

2017年5月にイギリスの写真家で世界的なシードルライター(評論家)のBill Bradshaw 氏が来日した際、この高坂りんごのシードルについて「日本では、ふじりんごを使った甘めのシードルが主流だが、高坂りんごのような渋味のあるりんごで作られるシードルは世界が求めている。特にイギリスの伝統的なシードルは渋みが大切。」と高く評しています。

「高坂りんご」のシードルをサンクゼール本店の柱に 

 高坂りんごを使用した「いいづなシードルふじ・高坂りんご」は、17年に2,400本製造され、ワイナリーやレストランがあるサンクゼール本店や飯綱町内の一部の酒屋で限定販売されましたが、5月の発売から5カ月で完売しました。こうした人気から同社は「いいづなシードルふじ・高坂りんご」をサンクゼール本店の柱に育てていく予定です。まずは通年での販売に取り組み、さらにはこの特有の渋みを活かした日本初の和りんごを使用したブランデーの製造にも挑戦しています。そのため、高坂りんごの安定供給に向け地元農家の協力を得て現状の4倍まで生産量を増やす計画です。

▲独特の風味がする「いいづなシードルふじ・高坂りんご」(サンクゼールの丘にて)

蒸留所が佇む美しいまちから

 飯綱町産りんごを使ったブランデーづくりは、17年4月の蒸留機設置、5月のブランデー製造免許取得により実現に向けて動き始めています。
蒸留及び樽熟成を進め、20年頃に販売予定です。また、それに先立って今夏、熟成前の状態のホワイトブランデーを一部販売する見込みです。今後も、特有の渋みがあり高品質のブランデー作りに欠かせない品種「高坂りんご」を積極的にブランデーの製造に使用していきたい考えです。
「りんごの一大産地の中に蒸留所がたたずむ美しい田園風景と、そこで誇りを持って生きる人々の成熟した文化を、飯綱町で実現したい」と久世社長は語ります。熱い思いを胸に、飯綱町にしかない唯一無二の高坂りんごで、世界に誇れる製品づくりとブランド価値の向上を目指しています。

サンクゼール本店

▲見晴らしの良い丘にたたずむサンクゼール本店(サンクゼールの丘)
 

株式会社 サンクゼール

 

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