社員の熱い思いが生んだ本格的浄水器「コッくん®  飲めるゾウ」
株式会社ミヤサカ工業

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最終更新日: 2017年3月10日

  株式会社ミヤサカ工業は、高品質・高精度のセンターレス研削・加工技術を有する精密部品加工メーカーであり、自動車部品メーカーなど県内外企業と数多く取引を行っています。
 液体を缶から小分けする際に簡単に装着でき、液漏れ、液だれしないワンタッチノズルの自社ブランド「コッくん」シリーズでも有名です。
 既に大手企業やチェーン店でも採用され、シリーズの累計販売で10万台を超える実績を上げています。 



▲10万台を超える販売実績を上げる「コッくん」シリーズ

災害時の「困った」を製品化

 自社の新規開発商品として現在注力しているのが、非常用本格的浄水器「コッくん飲めるゾウ」です。2015年9月の関東・東北豪雨災害の支援のため社員がボランティア参加した際、非常時の飲料水の確保が難しいという事態を目の当たりにしました。つまり、避難所ではある程度の確保ができても交通が遮断された地域に届けるのは難しい現状を知り、ポータブルな浄水器の必要性を感じたのです。
 そこで市販の浄水器を調査してみると、安いものは飲料水に適さなかったり、安心安全レベルの水を造れる浄水器は、高額すぎて一般には手が出せないものが多かった。それなら、安くて安心安全で、どこでも使える浄水器を自社で作ってやろうと、ものづくり屋の魂に火がつきました。  

従来の浄水器にない3つの特徴

 まず特徴の1つが「手動式」という点です。市販製品の多くは電気やエンジンが必要なため、大型で高額になっていることから、手動式でコンパクトなものにこだわりました。とくに災害時には電源の確保が困難になる場合が多く、手動で浄水できることが重要と考えました。
 2つ目は「安心・安全」で、水の濾過に極限までこだわりました。既存製品の多くは「中空糸膜」というフィルターが使用されており、これだけでは飲料水として安全とはいい難いものもありました。
そこで米国のNASA が開発した「逆浸透膜」というヒ素やダイオキシン、放射性物質など極小レベルまで除去可能なフィルターを使用しました。
 この結果、「逆浸透膜」と「中空糸膜」の両方を併せ持ち、ワンタッチで飲料水と生活水を切り替える機能となっています。
 3つ目が「コスト」です。既存製品には中空糸膜を使用する飲料用でも50万円を超える高額なものも多いため、できるだけ価格を下げるべく、溶接など内製化できるものは専用機器を揃えコスト削減に取り組みました。その結果、価格は手動式で約20万円、電動式でも約25万円に価格を抑えることができました。
 発売されて間もないですが、既に県内自治体から非常用として購入意向があるほか、民間企業からも引き合いがあります。日常的に災害防止に携わる人からみると、本物の価値が分かるということです。
 今後は製品が持つ「本物の良さ」をアピールし、各自治体や災害対策に敏感な企業などを中心に販路を広げていきたい考えです。

 

 

▲ 新製品「コッくん飲めるゾウ」

株式会社ミヤサカ工業

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