交流の動きが広がるコワーキングスペース

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最終更新日: 2016年6月1日

 コワーキングスペースは、フリーランスで働く人(個人事業者)や起業家などが、各自の仕事やノートパソコンなどを持ち寄り、情報やアイデアをやり取りしながら働く場所です。起業やビジネス上の連携だけでなく、利用者同士が交流し、新たなビジネスを創出する等、入居者同士刺激し合える場所として支持が広がり、地域や人とのかかわりに生かそうとするケースも出てきています。
 県内でも交流の動きが広がるコワーキングスペースの最近の動向についてご紹介します。

アイデアの共有や新たな事業展開の場として注目されるコワーキングスペース

 コワーキングスペースは、「Co(共に)working space(働く場所)」という意味で、会議室やネットワーク設備を共有しながら、起業家やフリーランスなどが個々に独立した仕事をする協働のオフィスです。
 その中で、アイデアを共有したり、つながりを持つことでさらなる仕事上の相乗効果や、新たな事業展開が生まれることが期待されています。
起業支援の活動として、オフィスの提供を通じて、起業家らが集いお互いに意見交換をしたり、起業を考えるきっかけやスキルアップのためのセミナーを開催するなど、起業を身近に感じられる環境が提供されています。
 そのため、具体的に起業の内容がイメージできていない段階でも、起業家らと気軽にネットワークを構築し、コミュニケーションがとれるため、同じ目標を持つ仲間とつながりが持てる場としても活用されています。

地方ではテレワークや移住を後押しする拠点としても注目を集めるコワーキングスペース

 そもそもコワーキングスペースは2000年前後から開設の動きが始まり一大集積地となった東京・渋谷など大都市中心に開設され、現在も増加傾向になるが、数年前からは地方にも広がっています。
 その背景の一つに、ICTを活用し、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方「テレワーク」の普及があります。総務省で昨年度から実施されている「ふるさとテレワーク推進事業」のように、進展するICTを活用したテレワークにより、都市部の仕事を地方で行うことが可能になってきていますが、地方のコワーキングスペースは、テレワークや移住を後押しする「仕事場」として注目を集めつつあります。
 コワーキングスペースがテレワーク導入企業との交流の拠点となっているケースも出てきています。

長野県内でも新しいビジネス創出の動きが広がるコワーキングスペース、今後の展開に期待!

 長野県内でも、富士見町が昨年12月に町のテレワークタウン構想の拠点として開設した「富士見森のオフィス」などが、都市部のテレワーク導入企業の拠点(サテライトオフィス)になっています。
 この施設は、武蔵野大学の研修施設を町が借りて改修し開設したログハウスのような木造2階建ての建物です。新しいつながり創出による活性化もめざし2階部分の都市部企業のサテライトオフィスとして利用されている個室型のシェアオフィスと、1階のコワーキングスペースが、併設されています。
 富士見森のオフィスのコワーキングスペースは、総務省ふるさとテレワーク事業を活用した高速の無線インターネット通信環境(Wi-Fi)が整備されているほか、心地よい音楽が流れ、コーヒーや紅茶の用意もある仕事場で、クリエイティブな発想による新しいビジネス創出の期待も膨らんでいます。
 町は、今年4月から、コワーキングスペースを使って働く移住希望者の家賃や光熱費の補助として毎月8.3万円を支給する施策を開始しており、4月下旬には、同所で開催した移住希望者説明会に県外から約10人が参加しました。現在も移住希望者の募集は継続しています。
 今後、2階のシェアオフィスに入居する8企業と1階のコワーキングスペース利用者が相互に交流することによりつながり、さらに、地元住民も含めた交流範囲の拡大により、森のオフィスから新しいアイデアによるビジネスが創出されることを期待したいと思います。

(2016.5.31)

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