経済月報2008年9月号

ニッチトップ企業の特徴と今後の中小製造業の戦略

中小製造業をめぐる経営環境は日々厳しさを増している。アジア諸国との競争は依然として熾烈な状況にあり、大手企業を中核とする従来の取引構造もそうした中で変貌しつつある。また、昨今の急激な資材・エネルギー価格の高騰も収益の圧迫要因として中小企業の経営に重くのしかかっている。
しかし、高シェア企業の実態調査から明らかになったのは、厳しい経営環境の中でも好業績をあげている企業があり、それは特定分野の市場で高いシェアを確保し、顧客ニーズをしっかりと把握している企業である。
要は「顧客の困りごとの課題解決のお手伝い」という姿勢で、しっかりと顧客と向き合い、円滑なコミュニケーションを実践し、顧客との信頼関係を形成することが、厳しい経営環境にある中小製造業にとって原点に立ち返った戦略ということができるだろう。
今回のレポートは市場シェアの視点から、好業績企業の経営行動とその背景を探った。