経済月報2006年5月号
新しい時代への変革を進めるドイツ中小製造業(上)
長野県のものづくりは、グローバル経済の進展の中で、厳しい競争に晒されている。中国をはじめとする人件費コストの低い諸国との競争に打ち勝つには、高い研究開発力に裏付けられた高付加価値製品へのシフトが必要である。
そうした状況下で、ドイツの中小企業が世界のマーケットで、その個性と独自の存在感を発揮しているという。ではその背景には何があるのか。
テーマを抱えて今年の1月から2月にかけて、ドイツの南部と東部地域にある中小製造業を中心に視察した。本レポートは2回にわたって、ドイツの中小製造業の現状とその現場の姿を紹介したい。そして、それらの動向を探る中から、長野県内の中小製造業の今後の方向、さらに産業振興について考えてみたい。
ドイツ製造企業の特徴
A.経営戦略
- 得意分野への選択と集中
- 経営システムの柔軟な見直し
B.技術革新
- 独創的な発想力
- 「学」との密接な連携
C.人材育成
- マイスターによる技術伝承
- デュアルシステムの存在
D.職場環境
- 権利意識が強い従業員
- 整然と配備された生産システム
E.周辺諸国との関係
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