日本経済:建設供給制約の衝撃~戦略的投資に求められる地域の視点~
建設供給制約の顕在化と地域偏在
建設供給制約の顕在化と地域偏在
日本経済はこれまで需要不足が主要課題であったが、近年は建設業を中心に供給能力の制約が前面に浮上している。国土交通省「建設総合統計」から算出する手持ち月数は、北海道・関東・近畿の「3極」で急伸し、施工能力を恒常的に上回る需要流入が続いていることを明確に示している(図表)。特に北海道では次世代半導体関連投資が需給逼迫を強め、関東・近畿でも再開発・大型プロジェクトが重なり、建設リソースの過熱感が強まっている。一方、中部・四国・九州では相対的に余力が残存しており、地域間の供給力ギャップが構造化しつつある。加えて東北では出来高の減少が進んでおり、需給逼迫とは異なるかたちで供給力を制約している点が特徴的である。
戦略的投資に求められる地域の視点
戦略的投資に求められる地域の視点
建設供給力の制約は建設コストの上昇や不動産価格への波及を通じ、ボトルネック型インフレを招くリスクを内包するほか、老朽インフラの維持管理や民間投資をクラウディング・アウトする恐れも孕む。こうした「物理的限界」を前提とすれば、今後の戦略投資は建設集約型からインタンジブル投資へと重心を移し、地域の供給余力を踏まえた分散的な投資配分=スマート・アロケーションが不可欠だろう。北海道・関東・近畿への過度な集中を避けること、さらには建設DXによる施工能力の革新が中長期的な供給制約の克服に向けた鍵となる(詳細はレポートをご覧ください)。
(図表)地域別の手持ち月数