今年の漢字・出来事を振り返る<2020.12.21>
年末恒例の「今年の漢字」、1位は「密」
1年の世相を漢字一文字で表す年末恒例の「今年の漢字」が、12月14日に日本漢字能力検定協会より発表されました。今回はまずこの話題から、今年を振り返ってみたいと思います。
結果についてはご存知の方も多いと思いますが、改めて今年の漢字1位に選ばれたのは「密」で、約2万8千票、全体の14%ほどの票数でした。2位は「禍」で、約1万4千票でしたので、1位の「密」は2位のおよそ倍、断トツの得票数だったという事になります。
「密」が選ばれた理由は、新型コロナウイルスの感染防止策として「3密(密閉・密集・密接)を避ける」とか「密にならないように」といった言葉が繰り返し使われ、耳にする機会が増えたからと言えます。ちなみに、12月1日に発表された「ユーキャン新語・流行語大賞」も大賞は「3密」でした。いかにこの「密」という言葉が、今年私たちの生活に浸透したかがうかがえます。
長野県民が選ぶ漢字1位は「耐」
長野経済研究所でも、長野県内に在住の方々を対象とした年末の消費動向調査の中で、「今年を表す漢字一文字」をお聞きしています。こちらについてご紹介しますと、1位が「耐」、2位が「忍」という結果となりました。この2つはいずれも全体のおよそ1割が回答しており、やはり新型コロナに耐え忍んだ1年だったことがうかがえます。
以下は、3位が「禍」、4位「病」、5位「苦」と続き、新型コロナを連想させる漢字が上位を占めました。ちなみに、全国で1位だった「密」は県内調査でも8位となりました。
さらに、9位の「家」、11位の「静」、13位の「粛」、20位の「籠」といった漢字もトップ20に含まれており、県内でも外出を控え自宅で過ごしたという今年の様子がうかがえます。
今年印象の強かった出来事もコロナ関連が上位
消費動向調査では、2020年に全国及び長野県で印象の強かった出来事についても聞きました。全国の1位は「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令」で、実に80%の方が回答しました。以下、2位は「特別定額給付金10万円の給付」、3位は「1月に国内で新型コロナウイルス感染者確認」、4位は「東京オリンピック・パラリンピック延期」と新型コロナに関する出来事が上位を独占しました。新型コロナ関連以外では、5位「レジ袋が有料化される」、6位「安倍首相が辞任」、7位「鬼滅の刃が大ヒット」などが強く印象に残っているようです。
一方、長野県内の出来事の1位は「2月に県内初の新型コロナウイルス感染者確認」で、54.6%の方が回答しました。次いで、2位は「各地の夏祭りや花火大会が中止」、3位は「イトーヨーカ堂長野店閉店」、4位は「善光寺御開帳の1年延期が決定」、5位は「4月に阿部知事、県民に対して不要不急の外出自粛要請」となり、県内でも上位は新型コロナ関連の話題が多くなりました。
上位に暗い話題が多い中、県内の明るい出来事としては、7位「長野県が『移住したい都道府県』ランキングで14年連続1位」、10位「信州ブレイブウォリアーズがB1昇格」などがありました。なお、この消費動向調査の結果は長野経済研究所のホームページで詳しく紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
今年は世界中が新型コロナの影響を強く受け、社会・経済から私たちの日常生活まで状況が一変した年でした。この影響はしばらく続くことが予想されますが、何とか来年は、明るく希望を持てるような漢字やニュースが少しでも多く私たちの記憶に残る、そんな年になって欲しいと願っています。
(参考)長野経済研究所「消費動向調査結果(2020年年末調査)
http://www.neri.or.jp/www/contents/1607589951528/index.html
2020年12月21日放送 SBCラジオ「Jのコラム」より
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