「こだわり消費」で消費を元気に(2008.09.24)
とかく節約が目立つ今日、「こだわり消費」も健在です
消費不況といわれる今日、加えて物価の値上がりが目立ち、節約志向も進んでいます。ところが、一方において「こだわり消費」というものも健在です。
「こだわり消費」とは、言葉を変えて言うなら、「私たちが本当に欲しいものに対する消費」と言うことができます。私たちは本当に欲しいものが現れた場合には、多少高くても買うのではないでしょうか。
となれば消費者のニーズに合ったこだわり商品を提供することで消費を元気にすることができるのでは、と考えることもできます。
こうした問題意識から、長野県民の約1,000人の皆さんの「こだわり消費」についてたずねました。
県民のこだわり意向は「こだわりのあるものは2割程度高くても買う」
先ず「こだわりのあるものは、価格が多少高くても購入しますか」とたずねたところ、全体の約7割の方がこだわりのあるものには多少高くても購入したいと考えています。
次に、「こうしたこだわりの商品を購入する際に重視する点は何か」をたずねてみると、「品質の良さ」が最も多く、次いで「機能性の高さ」、「安全性の高さ」となりました。
では、これら品質・機能性などの「重視する点」が際立った場合には、普通の商品と比べどの程度お金を多く支払うのか。つまり、品質や安全や機能性にどの程度お金を払うのかということをたずねてみました。
結果は、通常の価格より1~2割程度は高くても良いと考える方が全体の約6割に。また、3~4割ぐらいは高くても良いと考えている方も2割程度いることがわかりました。
つまり、県民は、なんでも安くというのではなく、納得がいく本当に欲しいものには、現状でもそれなりのお金を払うということがわかります。
では、この「こだわり消費」で消費を元気にするには
ひとつの視点として、どこにお金があるのかということから考えてみましょう。
現在の状況を考えると、まず現役世代の給料が上がらないという現実があります。すると消費を活性化させるためには、貯蓄を使ってもらうことが次善の策として思い浮かびます。幸いに日本の個人金融資産は約1,500兆円と巨額なものがあります。これを利用しない手はありません。
その所有構成を見ると、60歳以上が6割を所有しており、50歳以上でみると8割を所有しています。つまり、お金を持っているシニア層にこだわり商品を提供することが理にかなっているという事になります。
そこで、50歳以上の方がこだわる商品をアンケート結果から見ると、女性は化粧品、洋服などの「身だしなみ」のための商品を挙げています。アンチエイジングといわれるように、年よりもずっと若くみえるシニアの女性は増えています。実際に、最近、某化粧品メーカーが60代女性向けの新ブランドを立ち上げたという報道も聞きます。一方、シニアの男性の場合は、カメラや家電へのこだわりが高いようです。
つまり、シニア層をターゲットとした「品質」「機能性」に優れる「化粧品」や「洋服」、または、「カメラ」や「オーディオ」の提供は消費を元気にする可能性が大きいということがわかります。
特に男性にはオーディオ等ばかりでなく、お洒落消費をしたくなるような商品を提供したいものです。なんとなれば、お洒落は気持ちを若返らせ、人生を前向きにします。人生に前向きな人の消費は旺盛です。
シニア世代がお洒落をして人生を楽しむことは、経済を間違いなく元気にします。「ちょいワルオヤジ」も悪くはないでしょう。。
(2008.09.24)
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