足もとの設備投資の状況と今後の注目ポイント< 2025・12・18 >

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最終更新日: 2025年12月18日

2025年度の設備投資は堅調さ維持も

   当研究所は、長野県内企業の設備投資の動向を調査する目的で約600社を対象に「設備投資動向調査」を4月と10月の年2回実施しています。4月は年度の当初計画について調査し、10月は年度の実績見込額と当初計画に対する修正状況を確認しています。
 今回の10月調査による2025年度設備投資実績見込額は、当初計画額から減額修正され、前年度実績に比べ△7.4%の減額見込みとなりました。これは主に収益見通しの悪化や一部企業で投資の先送りなどにより当初計画額から減額修正されたことが要因です。
 一方、前年度との変化を企業数でみた設備投資DI(前年度に比べ設備投資額が「増加した企業割合」-「減少した企業割合」)では、全産業で+13.5ポイントとなり、前年度を上回る企業が多くなっています。総じてみれば減額見込みですが、投資額自体は高い水準を維持するほか、維持・更新やデジタル化などの省力化投資を中心に底堅さもみられます。 

製造業では電気、輸送機械などが減額修正

  今回の減額修正(25年度当初計画に対する実績見込額の変化)の内容についてみると、全産業の修正率は△9.7%の減額修正となりました。業種別では、製造業が△11.8%、非製造業が△2.8%とともに減額修正され、特に製造業が全体を押し下げた形です。製造業では、米国の通商政策の影響などによる先行きの収益見通しの悪化により投資に慎重な企業が増えたほか、建設工事の遅延などによる投資時期の先送りなど、県内や国内を中心に減額する動きがみられました。

設備投資の行方を占う上で重要な世界経済の見通し

  今後の設備投資の動向を占う上で注目ポイントの1つが、企業の需要や収益を左右する世界経済の行方です。OECD(経済協力開発機構)が12月に公表した世界経済見通しによると、2025年は3.2%、2026年は2.9%と、やや減速する見通しです。
 一方、日本は+0.9%と前回9月見通しから0.4ポイント上方修正されましたが、25年の1.3%からはやや減速する見通しで、先行きに対する不透明感は拭えない状況です。
 ただ、今回の当研究所の調査では2026年度の投資計画も尋ねており、設備投資計画が決まっている企業はまだ一部ではあるものの、回答していただいた企業の計画では、25年度実績見込額比で+13.7%の増額が見込まれています。業種別でも製造業、非製造業ともにプラスとなっており、悲観一辺倒とも言えない状況です。
今後は、今年度に実施が先送りされた投資の動きに加え、高市政権が進める17の重点戦略分野などへの投資の動きも、今後の設備投資をみる上でのポイントになるとみられます。
 

(初出:2025年12月17付 南信州新聞「八十二経済指標」)

 

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