金融市場:7月雇用統計ショックから“基調的な物価”に学ぶ~日銀会合レビュー~

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最終更新日: 2025年8月8日

日米中銀の政策判断と市場の受け止め

 7月末の日米金融政策決定会合では、両中銀とも政策金利を据え置き、市場予想通りの結果となった。Fedは利下げに対する明確なシグナルを示さず、タカ派的との見方が広がった一方、日銀は物価見通しを大幅に上方修正しつつも、金融政策のスタンスは中立を維持した。植田総裁の記者会見では、基調的な物価に関する質問が集中し、利上げに慎重な姿勢が強調されたことで、市場ではハト派的との受け止めが広がった 

金融政策の先行きと日銀の判断枠組み

 雇用統計の下振れを受けてFedの9月利下げ観測が急速に高まる中、日銀は日米関税交渉の合意後もトランプ関税による実体経済への影響を見極めるとして慎重姿勢を維持している。展望レポートでは、食料品価格の高騰に対するリスク認識が強まり、物価センチメントへの影響も指摘されている。筆者は、次回利上げ時期を来年1月とみるが、為替やトランプ関税の帰趨など外部環境次第では年内の利上げも視野に入るだろう(詳細はレポートをご覧ください)。

金融市場:7月雇用統計ショックから“基調的な物価”に学ぶ~日銀会合レビュー~(445KB)(PDF文書)

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