Next Stage ～ITで挑む信州企業～　有限会社和晃

代表取締役社長 宮嶋 晃

有限会社和晃 　　住所：埴科郡坂城町中之条1748       設立：1995年5月 　　従業員数：30人 　　事業内容：ソフトウエア/ハードウエアの開発・製造 　　電話：0268-82-0028

当社のコア技術・強み

　当社の強みは、ソフトウエアからハードウエアまで一貫して開発・製造できることです。この一貫体制により、高い精度と迅速な対応を実現し、多様なニーズに応えています。
　特に、モーター制御技術と無線通信技術において長年培ったノウハウを持ち、自動化機器やIoTデバイスの分野で幅広い製品ラインナップを持っています。モーター制御では、高効率かつ精密な動作を可能にし、無線通信では、Wi-Fi※1 やBLE※2 などを活用したIoTソリューションを提供しています。また、省電力化など環境への配慮を重視した設計も特徴です。

※1 Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標
※2 Bluetooth Low Energyは、Bluetooth SIG,Inc.の登録商標。省エネルギー型の無線通信規格で、低い電力消費で機器間の通信が可能となる

コア技術の活用事例

　これらの技術を活用したシステムの一例として、当社の開発した公共交通キャッシュレスシステム「TicketQR※3」があり、上田市をはじめ県内外の自治体で公共交通の運賃決済システムとして採用いただいています。
　本システムでは、スマートフォンのアプリに表示するQRコード※4をバスや電車内の機器にかざすだけで自動的に運賃が計算され、アプリの操作のみで支払いが完了します。決済方法は、各種QRコード決済やクレジットカード、プリペイドなどの前払い・定期券の購入にも対応しており、小銭の準備や両替が不要で、スピーディな決済が可能です。松本市内のバスにてクレジットタッチ決済で運賃を支払うMTT方式※5は、当社が国内で2番目に実装しました。また、アプリから運行状況をリアルタイムで確認でき、利便性も向上します。
　交通事業者側は、現金管理業務の削減による事務処理の効率化、利用データの収集・分析による路線の再編や運行方法の見直しに活用できます。
　公共交通以外では、アミューズメント施設のゲーム機、カプセルトイ自販機、コインランドリー等にもキャッシュレスシステムを導入いただいており、業務効率化・顧客満足度の向上・コスト削減などの経営課題への解決策を提供しています。

※3 TicketQRは、当社の登録商標
※4 QRコードは、(株)デンソーウェーブの登録商標
※5 Mobility & Transport Transaction：対キロ運賃のバスや鉄道で利用される方式

今後の事業展望

　TicketQRアプリは消費喚起事業にも利用され、アプリにて地元商店などで利用できるクーポンの配布を行ってきました。さらに、アプリから上田市内で利用可能なクーポンが発行される現地決済型ふるさと納税の仕組みにも利用されるなど、活用範囲は広がりを見せています。今後もTicketQRを軸に、自治体や商工会と連携し地域の商業振興・産業の活性化に寄与して参ります。
　また、キャッシュレス事業においては、決済端末を数万円で購入でき、以降はランニングコスト不要の超ローコストな決済端末を発売予定です。キャッシュレス事業のさらなる推進による地域社会の利便性向上に加え、新サービスの開発にも注力し、より快適で効率的な社会の構築を目指します。