高品質で信頼性の高いプリント基板製造(株)伸光製作所<2024・08・19>
電気製品に欠かせないプリント基板
(株)伸光製作所は、上伊那郡南箕輪村でプリント基板の開発・製造・販売を行っている住友金属鉱山(株)のグループ企業だ。
プリント基板は、電子部品に電流を流すための回路が成形された板で電気製品には必ず使われている。
構造を簡単に示すと、ガラス繊維に樹脂を塗り、銅箔を張り付けた基板に、レーザーによる露光や穴あけなどの加工を施したものだ。
完成品は、一般に銅の色の部分が電子回路、それ以外の部分が緑色の絶縁体となっている。
製品により、回路の形や細かさ、基板の大きさもさまざまだ。最近では、顧客ニーズに応じたフルカスタムオーダー製品がほとんどのため、同社では、およそ1,500種類ものプリント基板を製造している。
徹底した品質管理で築き上げた信頼
プリント基板の不具合は、電気製品に致命的なダメージを与えてしまう。
そのため、完成した製品に対しては徹底した品質管理が行われている。まず検査装置による外観検査、通電を確認する電気検査、そして熟練した社員の目による顕微鏡検査、最後に製品全体が顧客要望を満たしているかどうかを判断する出荷検査などだ。
検査装置による外観チェックも進んではきているが、その範囲にはまだ限りがある。そのため、細かい部分の検査は人による目視に頼らざるを得ない。ここに各メーカーの品質の差が生ずる。
同社では、この社員の目視による検査精度が高いため、不良品率を極めて低く抑えることができている。それが顧客への同社プリント基板の信頼となり、売り上げを伸ばすことにつながっている。
「顧客への信頼」こそ、ものづくりの神髄であり、売れるための秘訣であることが分かる。
多彩な福利厚生制度でモチベーションアップ
同社では、誕生日や結婚記念日など、従業員にとって大切な日に休暇を取得できるようアニバーサリー休暇を制定し、全社員が取得している。有給休暇は、理由付けすることで取り易くなり取得率が向上する。
また、独身社員用の社員寮の家賃は、なんと3,000円と破格だ。薄給の若手社員にとっては、なんともありがたい制度だ。
さらにグループ社員持ち株会制度があり、持ち株会に入会したら、親会社の住友金属鉱山(株)の株式が50株プレゼントされる。これも経営への意識を高め、エンゲージメントを高めることにつながっている。
このように充実した福利厚生制度は、社員のモチベーションを向上させる土台となっている。
地域とともに・地域のために
同社は、毎年、社員の環境に対する意識向上と地域の環境美化を図ることを目的として、自社や天竜川周辺などのゴミ拾い活動を行っている。
どうせやるなら楽しくやろうと、覆面レスラー獣神サンダー・ライガーのコスチュームを身にまとった社員が「御当社ヒーロー獣神サンダー箕ライガー」として、活動をリードしている。昨年は、ゴミ拾いを始めとした地域活動をけん引する「天竜530(ゴミゼロ)」チームを結成したという。
その方はアントニオ猪木氏のファンということもあり、猪木氏が立ち上げたプロレス団体の獣神サンダー・ライガーにふんすることで、「燃える闘魂」ならぬ「燃えるゴミ拾い」を実現している。
番組においでいただいた下地匠社長は、「創意工夫して活動を楽しもうとする姿勢は当社の良いところだと思っています」と話された。
何事によらず、特にゴミ拾いなどの活動は、遊びの要素を入れ込むことが継続のコツだ。
箕輪町はもともと元気な所だが、伸光製作所の活動でさらに活気あふれる地域に発展していくように思う。
(資料)SBC「明日を造れ!ものづくりナガノ」(2024年8月17日放送)
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