躍動する信州のITカンパニー ヴェルヌクリスタル株式会社

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最終更新日: 2024年6月10日

代表 田中 厚志

 ヴェルヌクリスタル株式会社

  住所:長野市若里4-17-1 信州大学工学部内
      設立:2022年1月
  従業員数:11人
  事業内容:各種結晶等の機能性材料の開発・製造・販売 他
  電話:026-217-6585

当社のコア技術・強み

 当社は、信州大学工学部手嶋研究室が有する、無機結晶育成技術「フラックス法」をコア技術に2022年に事業を開始しました。フラックス法は、安価で量産性に優れた結晶育成技術で、材料が持つ機能を最大限に引き出すことができます。私たちは手嶋研究室が蓄積してきた膨大な実験データを基盤に、特徴ある機能性結晶材料の構造を新たにデザインし、かつそれを合成するプロセスを効率よく開発しています。
 この技術を通じて、例えば、水に含まれる有害な重金属イオンや、フッ素・ヒ素などの陰イオンを選択的に吸着除去できる浄水材料や、低抵抗な全固体電池を提供できます。

コア技術の活用事例

 フラックス法を用いて水処理に特化した高性能な結晶材料を創製し、浄水器や水処理システムなどの企業との連携によって、効率的で持続可能な分散型水処理システムを実現できます。現在、長野県産業振興機構のイノベーション創出事業の支援を受け、地元の水処理関連企業と連携し、地下水処理システムの開発を進めています(写真参照)。従来の除マンガンシステムを当社が開発したカートリッジシステムに置き換えることで、コンパクトになり、さらに薬液や、電力消費量を大きく低減できる可能性があります。
 他にも、正極材料と電解質の良好な界面を有する全固体電池や、半導体の実装技術の革新に資する高い放熱特性を有する微細結晶材料を提供することができます。

 

今後の事業展望

 23年10月に内閣府が推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「マテリアルユニコーン予備軍の創出」に採択され、国のサポートを受けつつ、手嶋研究室と連携してマテリアルユニコーンを目指した事業活動を進めています。
 足元では、家庭用浄水器をターゲットとした重金属イオン除去用の結晶材料の製造販売を進めつつ、事業所用、村落単位の小規模分散型水処理システムの検討・開発を進めています。このシステムでは、水質のモニタリングデータなどICTを活用し、安全・安心な水を提供できるようにしたいと考えています。
 今般の能登半島地震で顕在化したように、長距離の送水管を有する水インフラは、災害時の復旧や老朽配管の更新に難しさがあり、今後、自律分散の小規模水処理システムや循環的な水利用ニーズが高まると考えます。当社が提供する結晶材料やその水処理技術は、大規模な電力インフラは不要で、コンパクトでメンテナンスの負担も軽く、こうした社会ニーズに応えていけるものと思います。そして、こうした価値を信州からグローバルに展開し、提供することを目指します。

このページに関するお問い合わせ

産業調査

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233