半世紀ぶりに200万人を割った長野県の人口のお話し<2024・03・25>

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最終更新日: 2024年3月25日

長野県の人口が200万人を割る

 長野県の総人口が200万人を割ったことが、2月29日に長野県より公表された。

 これは毎月長野県が公表している毎月人口異動調査に基づく2月1日時点の数値で、正確には199万9,182人となった。

 長野県人口については「200万県民」というフレーズが耳に残っているが、数字を確認してみるとそれは1974年から50年間の出来事であった。

 人口のピークは2001年10月の222万208人で、それ以降毎年減少する傾向を辿ってきた。

 人口は自然増減と社会増減で決まる。それぞれの推移を見ると、出生者数と死亡者数の差である自然増減は2004年以降、死亡者数が出生者数を上回り減少を続けてきた。もう一つの転入者と転出者の差である社会増減では、2002から転出者が転入者を上回り減少を続けてきた。

 特に自然減少は大きく2017年から1万人を超える数となっており、その後も死亡者数が出生者数を上回っているため増加を続けている。そのため2022年には3,112人の社会増となったが、自然減が16,186人と大きかったため、全体では13,074人の減少となった。

半世紀前と同じ人口だが、人口構造は様変わり

 このように長野県の人口は50年前と同じ数となった。しかし、50年前に戻ったのではない。

 1973年近傍で明らかにされている1975年の人口構造を見ると、65歳以上の高齢者は10.7%、15-64歳の生産年齢人口は66.3%、15歳未満の子どもの人口は23.0%である。

 これに対し2023年は、65歳以上の高齢者は32.9%、15-64歳の生産年齢人口は55.6%、15歳未満の子どもの人口は11.5%となっている。

 つまり、50年の間に65歳以上の高齢者が1割から3割に増え、逆に15-64歳の生産年齢人口は7割から6割弱に、15歳未満の子ども人口は2割から1割に減った。

 因みに75歳以上の後期高齢者の割合も1975年は3.4%だったものが、2023年には18.8%と大幅に増加している。

家族の形も大きく変わった、急増する一人暮らし

 1975年当時は、夫婦と子どもからなる世帯やそれに祖父母が加わる世帯が最も多かった。ちょうど、テレビでサザエさんが始まったのが1969年だから、そうした家族が中心となっている。我々も家族と言えばそのようなイメージを強く持ってきた。

 ところが、現状最も多くなっている家族の形は単独世帯、つまり一人暮らしだ。

 長野県でも家族全体の約3割が一人暮らしとなっている。夫婦と子どもからなる世帯は2割程度で、サザエさん一家のような家族は今や1割少々と非常に少なくなっている。

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 総人口が200万人を割った長野県の50年を総括するのなら、高齢化と単身化となる。

 65歳以上の高齢者が1割と若かった長野県は、3人に1人が高齢者に。そして、親子や祖父母が集う家族から、3軒に1軒が一人暮らしという家族が多い県となった。

 もっともこれは長野県に限った話ではないが・・・。

 今後、65歳以上の高齢者の活躍や、1人暮らし世帯が3割存在するということを前提とした社会づくりが求められる。


(初出)SBCラジオ Jのコラム 2024.3.25放送

 

 

 

 

 

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