ローレット加工を施した自社商品ブランド「Laurett’s(ローレッツ)」

 　(株)丸安精機製作所は、アルミなどの非鉄金属やプラスチック等の精密部品の加工技術に強みを持つ企業です。1969年の創業（2007年に法人化）以来、高い技術力を生かし国内外の高級自動車や家電等の外観部品の加工を手掛けてきました。

優れたローレット加工の技術

　同社のイチ押しは、自社製品ブランドである「Laurett’s(ローレッツ)」の筆記具です。同製品の特徴は、ブランド名の由来にもなっているローレット加工が施されている点にあります。
　ローレット加工とは、オーディオのつまみの外周などでみられるぎざぎざ状の加工のことで、微細で美しい凸凹が製品の魅力となっています。ローレット加工には「切削」と「転造」があり、同社は、切削加工を行っています。一般的に、切削加工はローラー状の工具を素材に当てて効率重視で削る方式であるのに対し、同社は溝の一筋一筋を削り出す方式です。見た目、手触り、その精緻な仕上がりは群を抜きます。同社が蓄積してきた多くのノウハウが美しく高品質なLaurett’sの筆記具を生み出しています。

　 

金属に細かい凹凸や切り込みを入れるローレット加工。同社は、国内トップクラスのローレット加工技術を持っています

自分達で製品作りから販売まで手掛けたい

 　Laurett’sの立ち上げは2017年です。下請けとしての仕事だけでなく、自分たちで製品開発から製造、販売まで手掛けたいという思いから立ち上げました。諏訪市のデザイナーやSUWAブランド推進委員会などの協力もあり、アルミニウム製万年毛筆「MLKシリーズ」を３種類開発し発売しました。その後も多くの筆記具を製品化し、日本文具大賞デザイン部門優秀賞やドイツの工業製品のデザイン賞「iF Design Award」など、数々のデザイン賞を受賞してきました。
　扱う筆記具は、ボールペン、シャープペンシル、万年筆、万年毛筆の４種類です。いずれもローレット加工が丁寧に施されており、見た目の美しさはもちろんのこと、手によくフィットし非常に使いやすい形にデザインされています。価格は1万6,000円（税込）からで、同社のWEBサイトや長野、東京、神戸の各店舗で購入することができます。

MLB公認・大谷翔平の表彰を祝う高級ペン「Laurett’s プレミアムTwo-Wayペン」

　23年11月には、ライセンス商品を扱う（株）エンスカイ（埼玉県草加市）と協力し、米大リーグ・大谷翔平選手の日本人初のホームラン王とアメリカン・リーグ最優秀選手（MVP）獲得を記念した筆記具を製品化しました。MVPを記念した真鍮(しんちゅう)製のペンと、赤を配色したホームラン王記念のペンの２種類の販売を行い、それぞれ1,700本限定で発売しました（既に販売受付は終了）。
　「筆記具の製造販売に至るまでには多くの方々の支えがあった。ローレッツブランドをさらに広めていくことで、そうした方々への恩返しをするとともに、今後も自社の技術を駆使して新製品を生み出していきたい」と長峰偉紘取締役は語ってくれました。　         　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 　　　　　　　　　　 

 「Laurett’s プレミアムTwo-Wayペン」は、ボールペン/シャープペンシルの2軸入替式の削り出し高級ペンです

 株式会社丸安精機製作所