モノづくりの生産性向上をシステムで支える キッセイコムテック株式会社<2024・1・28>

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最終更新日: 2024年1月28日

 キッセイコムテック(株)は、システム開発をはじめとしたITサービスを提供する会社で、特に製造業向けのシステム開発を得意としている。

 生産管理システム「ProAxis」の県内製造業への貢献が評価され、今年度の「ものづくり大賞NAGANO2023」で大賞を受賞した。

製造業を全面的に支援する生産管理システム「ProAxis」

 製造工程が複雑化する一方で、人手不足に悩まされる製造業にとって、生産管理システムの導入は必須の状況となっている。

 ところが、県内から聞こえてくるのは、「自社の規模にあったシステムがない」、「サポート体制に不安がある」など既存品への多くの不満の声だった。

 長年、県内製造業向けのITサービスを提供してきた同社としては、「地元のIT企業としてできることがあるはず」とオリジナル開発した生産管理システムが「ProAxis」だ。

 県内の中小製造業の規模に合った製品であり、受注から、製造管理、在庫管理、売り上げ、請求、支払い等々一連の業務を全て補うことができる機能を持っている。パッケージ化された標準機能に加え、工場や製品によって異なる生産形態にも柔軟に対応できる仕様となっている。

 それを可能にしているのが、同社が長年にわたり製造業分野で培ってきた業務ノウハウや運用モデルだ。時にコンサルタント的な役割を果たしながら、製造業顧客とより効果的なシステム開発に臨んでいる。

 さらに、同システムは、製造業の喫緊の課題となっている温室効果ガスの排出量把握や、グリーン調達活動に欠かせない化学物質の集計等の機能も搭載するなど先進性も兼ね備えている。

医療・健康分野への事業展開

 現在、不眠の悩みは3人に1人、不眠症は10人に1人と言われるほど、睡眠に関する問題は国民的とも言える規模になっている。

 このような問題に対し、同社では活動量計を使い睡眠を「見える化」できる「SleepSignAct(スリープサインアクト)」というソフトを開発した。

 同社の睡眠研究は20年に及び、脳波や筋電などを測ることからスタートし、活動量計を使ったプログラム開発に行き着いた。

 同製品には、加速度センサーが搭載されており、ボトルのキャップほどの装置を腰に装着することで、体の動きに応じた活動量を計測できる。計測したデータは独自のアルゴリズムにより解析され、睡眠と覚醒を判別していく。

 それにより睡眠時間(TST)・睡眠潜時(SL)・覚醒時間(WASO)・中途覚醒回数・睡眠効率(SE)など代表的な値がレポート出力される。

 睡眠をデータとして客観的に把握することは、医療機関での適切な治療の一助となっている。

 「ShiseiCam(シセイカム)」という、専用のカメラの前に立つだけで人の姿勢を計測するシステムも優れものだ。

 同製品は、Microsoft社の3Dセンサー「Kinect」を用いた、マーカーレスの姿勢計測システムである。マットの上に立ち、4ポーズ(正面、屈位、側面、反面)を撮影するだけで、首・肩・体幹・腰の傾きや、左右膝関節角、肩・腰のねじれなどが姿勢チャートとして表示される。そして、25箇所の筋肉のうち、短縮していると推定される箇所が表示され、個々の体の歪みに対応した最適なストレッチが提案される。

 広く医療機関や学校、整骨院、スポーツジム等での導入を推し進めている。

長野県内企業のデジタル化のけん引役に

 当研究所の県内企業を対象とした「デジタル化に関するアンケート調査」によると、デジタル化が「進んでいる」と回答した企業は35%にとどまる。

 こうした状況に対し同社の城取学社長は、番組で次のように話された。

 「デジタル化の取り組みが思うように進んでいない企業が半数以上いるということから、私たち情報サービス企業に対する期待や役割は非常に大きいものだと感じています。当社でも様々な情報技術や業務ノウハウを活用し、お客様や社会の課題解決に貢献する製品・サービスを提供しています。今回ご紹介した製品以外にも、システム導入後の運用保守サービスを展開するデータセンター事業も含めて、お客様の課題をワンストップで解決するトータルソリューションを提供しています。今後もITを活用した様々な製品・サービスを提供し続けたいと思います」。

 今やものづくりにデジタル化は欠かせない。同社のような県内のITサービス提供企業とものづくり企業の連携は、より強い長野県経済を作っていくだろう。


(資料)SBC「明日を造れ!ものづくりナガノ」(2024年1月28日放送)

 


 

 

 

 

 

 

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