独自技術により高品質の再生材にカットする粒断機「Gran(グラン) Cutter(カッター)」

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最終更新日: 2023年7月10日

 (株)ハーモは、プラスチック射出成形に関わる成形品取出しロボットや周辺自動化機器の開発・製造・販売・メンテナンスまでを一貫して行う総合メーカーです。1962年、岡谷市湖畔において信越電子産業(株)として創業し、72年に名称を「株式会社ハーモ」に改め、92年には上伊那郡南箕輪村に本社工場を新築・移転しました。
 その後も市場ニーズに合わせた機器の開発・販売と販売後のサポートを充実させ、国内拠点のみならず、海外20カ国に現地法人や工場、代理店を展開するグローバル企業です。 

プラスチック原料を再利用可能にする粒断機「Gran Cutter」

 同社のイチ押し製品は、射出成形によって出る端材を独自技術でリペレット化する粒断機「Gran(グラン) Cutter(カッター)」です。
 射出成形は、ペレット(粒)状の樹脂を加熱溶融し、金型に射出することで成形品を形作る方法です。成形された製品にはスプルやランナといわれる端材が発生しますが、その多くが廃棄されています。
 Gran Cutterは、この廃棄されてしまう端材をバージン材に近い再生材にする画期的なリペレットマシンです。

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スプルやランナ(右写真)を粒断機「Gran Cutter」(左写真)に投入し切断します。リサイクル率を大きく向上させることができるとともに、材料原価低減にもつながります。なお、ランナの先に部品がついていました
 

特許を取得した「スイング・プレス・カット方式」

 粒断機の最大の特長は、特許を取得した「スイング・プレス・カット方式」と呼ばれる独自のスイング動作で、端材のスプルやランナ等をカットする仕組みにあります。射出成形では、大きさが一定できれいな形の粒状の方が不ぞろいな粒に比べて成形品の品質が安定します。同社の粒断機は、従来の粉砕機と比べ端材を安定して粒状に切断できるほか、成形品の外観不良の原因になる粉や静電気の発生を大幅に減少させることができます。カットした時点で新品の材料に近い状態になり、安定した品質のリペレットを製造することができます。また、必要最低限の切断しか行わないため、運転音が非常に静かなのも利点です。
 こうした粒断機の仕組みにより、リサイクル率を大きく向上させることができるとともに、これまでかかっていた新たな材料の調達や端材の廃棄にかかる費用が不要となり材料の原価低減にもつながります。
 

リサイクル率の向上でエコやコスト低減にも貢献

 粒断機の出荷数はこれまでに1万5千台を超え、同機から生まれたリペレットはユーザーから高い評価を得ています。国内ナショナルメーカーにも数多くの納入実績があり、大きなコストダウンに貢献しています。
 「当社は、プラスチックに関わる企業として、責任感をしっかり持ちながら、サステナビリティへの取り組みを行っています。今後も粒断機をはじめ、当社の製品を通して環境への対策に貢献していきたいです」と営業推進部の河口尚久課長は語ってくれました。                     

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(左上)粉砕材(右下)粒断材。当社の特許技術を用い、スプルやランナ等を最小限のカット回数で粒状に切断できるので、左上と違い衝撃によるクラックも入らず粒もそろっています
 

 
 

  株式会社ハーモ

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