CO排出削減に有効な電気式簡易貫流ボイラー「エコフット」

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最終更新日: 2022年11月11日

 日本電熱(株)は、熱とそれらを制御する技術を強みとする企業で、各種産業用ヒーターや関連制御機器を製造しています。創業は戦後の1946(昭和21)年。米国のGE(ゼネラルエレクトリック)社から技術を導入し、各種ヒーターの原点となるシーズヒーター(発熱抵抗線を絶縁体で包み、金属の保護管で覆ったヒーター)の開発・国産化に成功しました。その後は、ヒーター需要の高まりを背景に事業を拡大し、設計から製造まで一貫生産する体制を整備してきました。
 2017年に創業70周年を迎え、コーポレートブランド「エアリス」を制定し、「熱とその制御」を事業領域に、さらなる発展を目指しています。
 主な製品には、汎用ヒーターをはじめ、大型ユニットヒーターなど高品質・長寿命のカスタムメイドヒーターがあります。地球温暖化の主原因といわれるCO₂の排出削減要請が強まる中、ヒーターの技術を生かして事業所や工場向けの電気式ボイラーの製造にも力を入れています。
 

脱炭素対策に有効な「エコフット」

 同社のイチ押しは、電気式簡易貫流ボイラー「エコフット」です。この製品は、高圧蒸気洗浄機や事業所の空調設備として主に利用されるボイラーで、熱源が電気式のため燃焼系ボイラーに比べてクリーンな構造となっています。そのため使用場所でのCO₂排出がゼロとなるため、脱炭素対策として有効です。また、電気式で安定した熱供給が可能なほか、燃焼系ボイラーよりも高い熱効率が実現できます。

エコフットは、幅510mm、奥行き1,020mm(または1,220mm)、
高さ1,440mmのコンパクト設計
 

低コストでメリット多数

 「エコフット」の特徴の1つ目はコンパクトな設計にあり、燃焼系ボイラーで必要となる排煙ダクトや燃料配管の設置が不要なため、配管に関わるコストが少なくて済みます。
 2つ目は分散設置が可能なことです。燃焼系ボイラーは1カ所に大型ボイラーを設置し、事業所内に広く熱(蒸気熱)を送る配管を巡らせなければなりませんが、電気式ボイラーは分散設置ができるため、長い配管も不要でエネルギーロスも小さくて済みます。
 さらに、簡易ボイラーに該当するため、ボイラー技術士の免許が不要なほか、基本操作はスイッチのオン、オフのみで、起動時間も速いという利点もあります。
 

顧客の課題解決に貢献したい

 「エコフット」は、熱を蒸気で送ることで、製造部品や金型、半導体製造装置、厨房機器などの高温洗浄や、食品・キノコ工場、医療機関等における容器や機器の殺菌・滅菌ができます。また、一般の空調機器や加湿器、解凍などの調理器具にも幅広く利用されています。
 「今後は顧客の事業所などにおけるエネルギー活用の診断に力を入れ、工場全体が省エネとなるシステムを提案し、顧客の課題解決に貢献していきたい」と産機事業部の田中紀幸事業部長は語ってくれました。


従来に比べ、各種配管の設置が少なく、エネルギーロスも少なくなる

 
 

 日本電熱株式会社

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