お盆明けの疲れた女性の姿に人口減少の一端をみた<2022・08・22>

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最終更新日: 2022年8月22日

お盆明け、なんだか奥さんの機嫌が悪い

 お盆休みも明け、秋の気配を感じる季節となってきた。

 こんな時期、何だか奥さんの機嫌が悪いという家庭が多いようだ。これは不思議とこの時期、世の男性から多く聞かれる。

 先日、インターネットでこの現象の「回答」ともいえる興味深いアンケート調査を見つけたので紹介したい。

 美容製品等を販売するスリーエムという会社が行った「義実家への帰省に関する調査」というネット調査で、調査期間は2022年7月、対象は20代〜50代以上の男女100人だ。

 まず、「義実家へ帰省するのは楽しみですか?」という質問には、「楽しみ」は35%、「どちらでもない」が25%。これに対し「楽しみではない」が40%と最も多くなっている。

 さらに、「義実家への帰省、本音は?」と踏み込んだ質問には、「気を使うから疲れる」が45%と最多、「できれば行きたくない」が26%、合わせると7割が「疲れるから行きたくない」となっている。

 つまり、お盆の義実家への帰省は、「楽しみでない」4割、「本音は疲れるから行きたくない」7割ということだ。

慣れない生活への突入と、「嫁」という辛い存在

 なぜ、疲れるのか。この調査では、「義実家での謎のルール」なるものも尋ねている。

 「18時の夕飯からいつまでもお酒を飲んでいて、私と子供はお風呂に入って寝ればいいのかわからない」、「嫁の私がお風呂は最後で、必ず洗っておくというルールがある。」「夜眠るときは全員が大部屋で眠らなければならない」など、いつも暮らしている生活のルールやリズムが違うことから、負担に感じることが一つあるようだ。

 そして、もう一つが、この回答にもあるように「嫁の私」だからと、慣れない環境での労働を強いられることだろう。

 お盆に帰省するのはいいのだが、「嫁」としての存在に早変わりしなくてはならないことの戸惑いだ。

 帰省に対して「行きたい」と「楽しい」という正反対の回答があることから次のような例えが分かり易いだろうか。
 旅館に行って、ご馳走を出してもらってゆっくりとお風呂に入れるお客様と、ご馳走を作ってお風呂を洗う従業員との違いだ。この従業員としての立場を強いられる「嫁」という立場なら帰省が楽しい筈はない。

 一方、「楽しい」と回答する人の多くは、旅行のお客様のような立場でいられる場合だろう。但し、この場合も「嫁」としての立場なら、心から楽しいとはいかないかもしれない。

女性が嫁という存在であるなら、人口減少は止まらない

 話は変わるが、4月に昨年10月1日の日本の推計人口についての発表が総務省からあった。

 なんと、前年に比較し64万人が減少してしまった。これは過去最高の減少幅で、結果日本の人口は1億2,550万人となった。内訳は死亡者数が生まれる数を上回る「自然減」が60万9千人、出国者が入国者を上回る「社会減」が3万5千人。コロナでの入国規制で前年の20万9千人の「社会増」が減った影響が大きいという分析もなされているが、何と言っても60万人もの「自然減」が主要な要因だ。

 要するに、子どもがどんどん生まれない日本となっている。「結婚しない」「しても子供は生まない、一人が多い」

 ここで先の話の辛い立場の「嫁」という存在を思い出すのだが、家事の多くを担い、夫の実家に行ってもそうした役割が付いて回る。果たして、このような重労働を背負いながら、何人もの子供を産んだ上で、子育てはできるのだろうか。そして、それを知った女性はそもそも結婚しようと思うのだろうか。

 あらゆる家事を担う役割を意味するような「嫁」という悩ましい呼び方や存在は見直した方が良い。

 お盆明けの疲れた女性の姿に、人口減少の原因の一端を垣間見たような気がした。


(資料)SBCラジオ「Jのコラム」2022年8月22日放送

 

 

 

 

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