JFS-B規格を活用したHACCP制度化への対応<2021.3.30>

印刷

最終更新日: 2021年3月30日

  2020年6月に施行された改正食品衛生法が21年6月より完全施行されることに伴い、食品関連事業者に対し行政機関からはもちろん、販売先からもHACCPによる衛生管理への対応が求められるケースが多くなっています。本稿ではHACCP基準を満たす第三者認証として最近注目を集めているJFS-B規格について説明します。

  JFS-B規格認証取得組織の大幅な増加

  JFS規格とは食品安全マネジメント協会(JFSM)が発行する食品安全マネジメントの認証規格です。同協会は農水省の支援の下、アサヒビール、味の素、イオン、セブン&アイHD、日清製粉といった国内の主要食品関連事業者が2016年に設立した組織で、そこが発行する当規格は、国内業者による国内業者のための食品安全の規格と言えます。

 要求事項(規格の適合条件)が少ない順にJFS-A-B-Cという3段階のステップアッププログラムからなり、組織の状況に合わせた認証取得や、段階的なレベルアップも可能です。中でもJFS-B規格については認証取得する組織が大幅に増加し、発行から約4年で1,200件を超えるまでになっています。(2021年3月29日時点で1,290件)  

HACCP基準を満たすJFS-B規格

  JFS-B規格は、食品安全マネジメントシステム(FSM)、ハザード制御(HACCP)、適正製造規範(GMP)という3つの要素から構成され、中でもハザード制御については7原則12手順からなるCodex HACCP(食品安全の国際基準)の全てを含んでいることから、HACCP基準を満たした、つまりHACCP制度化に対応した第三者認証と言えます。 

 規格の要求事項は分かりやすくコンパクトにまとめられており、規模や設備の状況に関わらず適合証明を取得することができる内容となっていることから、小規模事業者にも取り組みやすい規格となっています。 

 また、規格の中にISO22000やFSSC22000、JFS-C等、食品安全に関する各種国際規格に共通するHACCP基準と、一般衛生管理といわれる食品安全管理の基礎を包含していることから、規模の拡大や海外展開等に対応した上位レベルの管理体制の構築を視野に入れている企業が最初に取得する認証としても適しており、それが当規格の人気の高さに表れていると言えるでしょう。

  適合証明取得の効果

   JFS-B規格の適合証明取得の効果としては以下が挙げられます。  

(1)自社の製品が安全・安心であるという事を取引先や消費者に示すことができる

(2)要求事項に沿った管理体制の整備により、食品衛生の管理レベルや働く人々の意識が向上する

(3)衛生管理マニュアルや作業手順書等の整備が進むため新入社員の教育にも活用できる

(4)監査機関の客観的な視点を取り入れた上で安全・安心な食品づくりができる

(5)取引先による二者監査の省略、または簡略化により双方の管理負担軽減につながる

 

 当研究所ではJFS-B規格認証取得支援のほか、さまざまなHACCP制度化への対応をお手伝いしています。検討中の企業の皆様はご相談ください。

 

 (本情報は、経済月報2020年12月号の「相談コーナー」に掲載した記事に加筆修正したものです)

 

このページに関するお問い合わせ

経営相談

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233