「働き方改革」に本気になれるのか<2017・08・01>

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最終更新日: 2017年8月1日

「働き方改革」で力を入れて行きたいものと課題  

  前回、長野経済研究所の「『働き方改革』への取り組み」に関するアンケート結果から、「働き方改革」に対する企業の取り組み割合と、内容をご紹介しました。約半数の企業が「働き方改革」に取り組んでおり、主な取り組み内容としては、「育児支援」、「介護支援」、「高齢者・女性の雇用促進」などとなっていました。
 今回は、実際に「働き方改革」を成果あるものとするためには、どのようにしたら良いのか。アンケート結果から、「今後力を入れていきたい取り組み」や「働き方改革を進めるに当たっての課題」を考えてみたいと思います。

力を入れていきたい「仕事の進め方の見直し」

  「今後力を入れて行きたい取り組み」として最も多かった答えは、「仕事の進め方の見直し」です。
 労働人口が減少する中、既に人材不足は顕在化しています。企業には、今いる社員の離職防止に努めながら、女性や高齢者、外国人などに活躍してもらえるような職場作りが求められています。しかし、親の介護などの問題に直面した場合に、今までの硬直的な働き方では離職せざるを得ないことが多くなるでしょう。また、現状の時間外労働の多い働き方では、子育て中の女性も活躍できません。さらに、政府から示されている「働き方改革実行計画」も企業の取り組み強化を促しています。これによると19年4月から「時間外労働の上限規制」と正社員と非正規社員の待遇格差を見直す「同一労働同一賃金」の実施の方向性が打出されています。
 要するに「働き方改革」は待ったなしの状況となっています。しかし、仕事のやり方を変えないまま労働時間の削減を実施すれば、売り上げは減少します。現場での混乱も予想されますし、そもそも仕事が回っていかないでしょう。そこで「今後力を入れていきたい取り組み」として最も回答が多かったものが「仕事の進め方の見直し」という訳です。
 各企業は現場の労働実態を明らかにして、問題点を洗い出し、効率的な仕事の仕組みとなるような「仕事の進め方の見直し」に迫られているのだと思います

進めるにあたっての課題「意識改革」

 「働き方改革を進めるにあたっての課題」としては、「従業員の意識改革」、「業務量に対する人員不足」が4割を超えており、「管理者の意識改革」、「取り組みに対するノウハウの不足」などが3割を超えるなど多くなっています。
 今までも、時間外労働を削減しようと多くの企業が声を上げてきましたが、依然として減らないというのが実態です。つまり、「早く帰りましょう」の掛け声だけで、仕事量や「仕事の進め方を見直して」こなかったため、従業員の本音は「できるはずがない」と、早帰りは他人事というような意識になっていたのではないでしょうか。したがって、掛け声だけに終わらない「意識改革」が必要との課題認識が多く上げられたものと思われます。
 そのためには、まずは、「何が何でも時間外を削減する」というトップの明確な方針提示が必要です。そのうえで、従業員、管理者の意識を変えていかなくてはならないでしょう。そうした中で、初めて課題や「仕事の進め方の見直し」の方向性が見えてきます。そして、見出した効率的な仕事のやり方や、効率に対する評価などを全社的に広げる事で「取り組みに対するノウハウ」は蓄積されます。

県内企業のための「働き方改革」フォーラムを開催します

  ここまで紹介してきました「県内企業の働き方改革への取り組みに関するアンケート結果」の報告と、それを踏まえた「県内企業による『働き方改革』を考えるシンポジウム」を今月の28日(月)午後2時より長野経済研究所のある八十二別館4階AV教室で開催します。
 参加いただく企業は長野市の株式会社シューマート霜田清会長、千曲市のフレックスジャパン株式会社矢島隆生社長、塩尻市の株式会社サイベックコーポレーション平林巧造社長です。行政からは長野県雇用・就業支援担当の内田雅啓部長にご参加いただきます。
 県内企業の取り組みから、何らかのヒントを得ていただければ幸いです。
 参加ご希望の方はこちらから是非、お申込みください。                (敬称略)

 

 

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