当研究所の専門家ネットワークをご利用ください!
当研究所は八十二銀行と連携して、八十二銀行のお取引先を対象に、製造業、観光・宿泊業、アグリ分野、環境エネルギー分野、飲食・卸小売・サービス業、経営全般、食品・飲料製造業の専門家を派遣する「外部専門家派遣事業」を行っています。
ここでは、この事業の概要や具体的な支援事例を紹介します。
「外部専門家派遣事業」
本事業は、経営支援や地域経済活性化に貢献することを目的として、八十二銀行からの委託により八十二銀行のお取引先を対象として2014年に始まった事業です。
当初は製造業の専門家派遣からスタートしましたが、その後観光・宿泊業、アグリ分野、環境エネルギー分野、飲食・卸小売・サービス業、経営全般、食品・飲料製造業の専門家を加えることで、対応できる業種・分野を拡大させてきました。以下のようなことでお困りでしたら、当研究所の「外部専門家派遣事業」をぜひご利用ください。
1. 工場の生産効率が悪い
2. 原価管理の方法が良く分からない
3. 生産現場の改善意識を高めたい
4. 製品・商品の販路開拓が難しい
5. 新規事業展開の方向性に悩んでいる
6. 旅館やホテルの集客が減少している
7. コロナ後における経営相談をしたい
8. HP・SNSで注目を集めたい など
支援事例
A社(日本茶卸小売業)
課題
A社は、消費者の嗜好変化による日本茶の市場縮小に加え、食品スーパーやコンビニ等との競合もあり、売り上げが伸び悩んでいました。売り上げ拡大に向け、営業手法を早急に見直す必要がありました。
対応
まず、営業活動の拠り所となる同社の経営資源について議論が実施され、顧客・仕入先・社内人材・保有知識・商材等の切り口から現状把握が行われました。これら資源を生かした活動として、既存客への新商品やお取り寄せサービスの提供、来店客増加に向けた看板・店内ディスプレイの変更実施、卸売り上位先へのシエアアップ活動、イベント活用による拡販機会創出などの具体策が策定されました。専門家アドバイスにより優先課題が明確化され、売り上げ拡大への道筋が示されたことで経営者は自信を持って営業活動に取り組んでいます。
B社(宿泊業)
課題
B社は、コロナ禍による利用客減少が響き売り上げが低迷していました。コロナ収束後も思うように売り上げが回復せず、効果的な集客方法や商品プラン開発等での専門的アドバイスを必要としていました。
対応
専門家は、保有設備や料理メニュー、サービス提供などの状況、販売環境等の実態を把握するため実地調査を行いました。結果、同社は「料理」、「風呂」に強みがありながらそれを十分発信できていないこと、価格設定においてシーズナリティを考慮した柔軟な価格設定が行われていないことなどが課題として抽出されました。専門家より「名物料理」の開発や料理バリエーションの絞り込みなどによる「強み」のテコ入れ、繁忙期に備えた販売プラン拡充や需要に応じた価格コントロール導入など、同社にとって効果的な行動策の提案が行われました。
C社(電子部品製造業)
課題
C社は、受注先に対して小規模体制ながら小ロット生産による受注対応を進めてきました。生産工程においては人手に頼る作業も多く、受注増減に合わせた効率的な生産体制構築が喫緊の課題となっていました。
対応
専門家による工場診断の結果、過去の受託生産ラインが工場内スペースの活用疎外要因となっていることや、作業員の生産性向上、多品種小量生産への対応に向けセル生産方式導入を進める必要があることが把握されました。これらの改善活動を円滑に進めるため、専門家は過去に指導した企業への帯同視察を実施しました。セルライン実例のみならず生産・在庫管理などの総合的な活動状況の視察はC社の自社展開に有効な機会となりました。生産効率向上に向け当社独自の改善活動が経営者により開始されています。
D社(機械器具製造業)
課題
D社は、独自開発製品を保有し不断の改良努力により商品の市場浸透を着実に進めてきましたが、市場への供給体制安定化に向けた加工工程における自動機の機能アップなど、作業効率の向上が課題となっていました。
対応
自動加工機は県外メーカー製で、同社専用の加工機であったため機動的なメンテナンスや装置機能のレベルアップが円滑に進まず効率化の疎外要因となっていました。また、加工後に手作業で行われる外観検査工程なども省力化が必要でした。専門家は工程上ネックとなる根源要因特定のため、まず一時的な製造停止頻度など機械ごとの稼働状況の実態把握に着手しました。、また効率改善を組織一体で展開させるため5S活動を基軸とした人材育成も併行して進めることとしました。専門家伴走支援と経営者の強い改善意欲により、同社では全社一丸での活動が軌道に乗っています。
E社(食品製造業)
課題
E社は、地元スーパー中心に自社商品の販売を行ってきました。近年は人口減に伴う商圏縮小や原材料費高騰などで収益悪化に歯止めがかからない状況となっていました。
対応
収益改善のため高付加価値商品の開発を具体化したいとの経営者意向により、専門家による支援活動が開始されました。開発のベースとなる経営資源の抽出議論を経て、近隣地域で栽培される農産物を活用した商品の企画開発を行う方針が決定されました。商品差別化実現のため専門家は、海外製設備機器の導入提案や独自の加工ノウハウなど製造技術面まで踏み込んだアドバイズを実施しました。ごく短時間で試作品完成に至るなど専門家支援による新商品開発プロジェクトは順調に進展しています。
ご相談をお待ちしています
当研究所は、各分野の専門家との連携により今後もさまざまな課題解決支援に取り組んでまいります。どうぞお気軽に八十二銀行のお取引店または当研究所に相談をお寄せください。
本情報は、経済月報2024年5月号のコンサルティングの現場からに掲載した記事を加筆修正したものです。
経営支援室 室長 牛山 秀夫