自らの地域を誇りに思う心から~原村五味武雄村長を訪ねて<2016.09.06>

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最終更新日: 2016年9月6日

爽やかな初夏の風を浴びながら

 原村は八ヶ岳山麓の西南部にある高原の村です。爽やかな風が心地よく感じる初夏に五味武雄村長を訪ねました。

 同村は村の中での住める面積割合が5割強と広々としており、いくつかのペンション村があります。広い農地では高原野菜の生産も盛んで、夏場のセロリの生産量は日本一を誇ります。

 豊かな自然と農地が調和した農村景観等が評価され、昨年は「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。

現場に出向いて、自分の目で確かめよう

 村が元気になるため、五味村長は先ず役場内部の改善から取り組んでいます。「現場重視」の姿勢を訴え、村の各地に自ら足を運んでいます。そして、職員にも「とにかく現場に出向いて、自分の目で問題を確かめましょう」と語りかけています。

 「役場内の見える化」も進めており、職場の配置図には各職員の名前と写真が掲示されています。村民向けの広報でも、係ごとの集合写真と仕事内容をリレー形式で紹介しています。「役場内の見える化」で住民も安心でき、職員も責任を持って仕事にあたることができる良い循環が生まれています。

 「役場内の見える化」とともに、整理、整頓、清掃、清潔、躾の「5S」活動の準備も進めています。5Sが進めば、施設スペースが有効利用できます。これにより村民が減少する中で、無駄な施設を整理できるようにもなります。

ペンション村でイベントを

ペンション村が元気になることも同村にとっては重要課題です。ペンション村ができて40年以上経ち、オーナーも高齢になっています。避暑地としては、ペンションが廃業して廃屋が増えることは避けたい状況です。そこで今後の事業展開について、オーナーや後継者の意向調査をした上で、要望があれば新たなオーナー希望者に体験的に村へ来てもらうなどマッチングを進めています。

  ペンションは現在60軒ほどが営業しています。これらを全て宿泊客だけで埋めるのは難しい状況となっているため、シェアオフィスやシェアハウスなども視野に入れた新たな利活用の研究も進めています。原村に移住した人の中には芸術家も多いため、彼らを講師に毎月一回「はらむら塾」という生涯学習講座も開催しています。加えてコンサートなどのイベント企画も始まっており、人を集める仕掛けも出来上がってきています。

  元気な地域は皆「オラが村」が好き 

   昨年10月、全国で60番目の村として「日本で最も美しい村」への加盟が認められました。

 住民意向調査によれば、原村に住み続けたいという人の割合は7割と非常に高くなっています。「日本で最も美しい村」連合についても6割強の住民から、加盟して運動を推進すべきという意見が出ています。原村が好きで、その美しさを全国に誇りたいと思う村民が多いことがわかります。

 地方創生の中、自治体を元気にするために多くの施策がとられています。同村のように、住民による「自らの村を好きだ、誇りたい」という気持ちこそが元気な地域づくりには不可欠なものでしょう。

(2016.09.06) 

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