2016年は前向きに知恵を出して<2016.1.20>

  新年あけましておめでとうございます。
 毎年元旦には、善光寺平の各市長が、新年の抱負や地域づくりについて語り合うFMぜんこうじの番組に出演させていただいています。今回で10回目を迎える番組ですが、今年が「地方版総合戦略」の実行の年ということもあり、各市長からは地方創生にかける熱い思いが語られました。
 地方創生の大きな目的は、減っていく人口をいかに抑え、地域を元気にしていくことです。そのために求められるのは、自らの地域の素晴らしさを見つめ直し、それを発信していくということになります。ところが県内では「つまらなくて、何も無いところ」など自信のない声を多く聞きます。長野県がこの通りなら、そのような地域に若者が帰ってくるはずはなく、都会からの移住など望むべくもありません。そうではなくて、自信を持って「こんなに素晴らしいところはない」「長野県に帰ってきた子供たち、都会から来たあなたは実にラッキーだ」と言わなくてはならないでしょう。
 市長方からのメッセージは力強く明瞭です。加藤久雄・長野市長は、「常に前向き、マイナス言葉は使わない」をモットーに、「市民の皆さんにもっと自信を持ってもらい、人口維持ではなく人口増加を目指していきたい」と呼び掛けています。三木正夫・須坂市長は、「長寿県・長野の秘訣(ひけつ)の一つは保健補導員制度発祥の地・須坂にあり、“健康”をキーワードに素晴らしい須坂市を発信していきたい」と強調されます。池田茂・中野市長は、「市内にある豊富な地域資源を掘り起こし、不足するものは外部を利用して“中野市まるごと6次産業化”を盛り上げたい」と意欲を語られます。岡田昭雄・千曲市長は、千曲市の良さを「長野市と上田市の真ん中にあり、1時間の時間距離の中に120万人が住む素晴らしい立地で、そのポテンシャルを見つけ出した。活性化につなげたい」と満面の笑みで語られました。
 自分の住む地域に自信を持って、良いところだと信じるからこそ、地域に埋もれた宝が見えて、知恵が湧き出てくるのだと思います。「ダメだ、何も無い」と言っていたのでは、あるものも見えません。加藤市長が「マイナス言葉は使わない」と言われる真意もこの辺りにあるのだと思います。
 「地方版総合戦略」実行の年に当たっては、「素晴らしいこの地域に暮らせてラッキーだ、チャンスだ」と地域に暮らす我々が笑顔になっていくことがとても大切です。
「無いものを嘆くのではなく、今あるものをいかにいかすのか」。前向きな発想から生み出される地域の知恵が問われる新年なのだと思います。

(初出)朝日新聞平成28年1月20日朝刊「けいざい応援通信」『自信持ってこそ知恵湧く』

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