よく見かけるプレミアム商品の背景を探る(2008.07.08)

好調なプレミアム商品 

 いよいよお中元シーズン、皆さんも最近スーパーなどでちょっぴり高い「プレミアム商品」をみかける機会は多いと思います。ここ数年、食品等で付加価値をつけて価格を高く設定したプレミアム商品が好調のようです。
 贈られて嬉しいお中元としても、最近ある洋酒メーカーが実施したインターネットアンケートの結果をみると、「プレミアムビール」が挙げられています。また、少し前の花粉症シーズンには、ちょっと高いがやわらかくて、鼻をかみすぎても痛くならないティッシュペーパーなどが話題に。食用油でもコレステロールを抑える機能を持たせた健康系のプレミアムサラダオイルが人気です。

どうしてこのようにプレミアム商品が多く登場したのか 

 まず、基本的には人口減少でどんどん小さくなっていく国内市場という現実があります。人口が減ると商品が売れる量は当然限られます。そこで、商品の価格を上げ売上げ増加につなげたいとメーカーでは考えます。これがひとつ。そうした状況下、最近の原材料高騰という事情が重なりました。メーカーは、原材料高騰で収益が圧迫される中、付加価値で稼いでくれるプレミアム商品に一層力を入れているという訳です。
 しかし、このようなメーカーの商品戦略も消費者が受け容れなくては空振りということになりますが、従来品にない機能や価値を付けたプレミアム商品は最近の消費者には受けたようです。
 なぜ、消費者がプレミアム商品を受け容れたのでしょうか。
 それはひとつに、ここ数年の倹約疲れをした消費者の心理があります。ちょっとだけお金を上乗せすれば味わえる贅沢感というものがその倹約疲れを埋め合わせたのだと思います。人の消費の特徴として、心身のリフレッシュを図りたい時や、頑張った自分へのご褒美としての「プチ贅沢」というちょっとだけ高いものや普段買わないものを買いたいという欲求があります。プチ贅沢の対象としては、食べ物が多くなっているというアンケート結果もあります。これらのニーズを受け止めるものとして、プレミアム商品がぴったりフィットしました。
 二つには、食料品が値上がりした結果、通常の商品とプレミアム商品とそれほど価格差がなくなってきました。それならということで、少しだけならお金を足して、ワンランク高いプレミアム商品をといった流れもあったようです。先に挙げた食用油などは、従来通常のサラダオイルと健康系のオイルで300円あった価格差が100円の価格差に縮まった結果、プレミアムの健康系がよく売れるようになっています。

で、プレミアム商品って一体どうなの? 

 実感としましては、頑張った自分へのご褒美として週末にプレミアムビールを飲むときなど、とても豊かな気持ちになります。また、少し出てきたお腹のために健康系のサラダオイルなどは非常にありがたいものです。
 金額的には100円に満たない差でささやかな幸せを与えてくれるプレミアム商品は、給与が上がらずに食糧品の値段ばかりが上がるという厳しいご時勢にいわゆる「手の届く贅沢」を我々庶民に与えてくれるアイディア商品だと言えはしないでしょうか。

(2008.06.10) 

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