雇用情勢は悪化傾向~隠れ失業者の増加を疑う~

短観では捉えきれない「人手不足」の実像

 足もとの日銀短観における雇用人員判断D.I.は、歴史的にみて労働需給の引き締まりを示すが、企業の現場では新卒採用難や非正規人材の獲得困難など、統計では捉えきれない多様な「人手不足」が存在する(図表1)。こうした状況では、単一指標による景気判断は限界があり、多角的な統計分析が必要となる。

(図表1)短観・雇用人員判断D.I.(全規模)

 

雇用情勢の軟化と慎重な景気判断の必要性

 求人倍率の低下や失業率の上昇、雇用保険関連指標の増加など、足もとの雇用関連指標は軟化しつつある(図表2)。いずれも水準自体は懸念すべき状況にはないものの、人口減少下における構造的な人手不足という前提に囚われず、多角的な統計分析による慎重な情勢判断が求められるのではないか(詳細はレポートをご覧ください)

(図表2)雇用保険基本手当受給資格決定件数・受給者実人員と完全失業率

 

日本経済:雇用情勢は悪化傾向(512KB)(PDF文書)

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