高い発電効率と省スペース化で、普及が期待される「HIT太陽電池」
太陽電池の用途別では、「住宅用」が最も多く85.9%
再生可能エネルギーとして、最も普及が期待される太陽光発電。太陽光発電の電気を発生させる部材が太陽電池ですが、その太陽電池の用途は、(1)住宅用、(2)公共・産業用、(3)電力・応用商品、民生用の3用途があります。図表1のとおり、2011年度では「住宅用」が全体の85.9%を占めます。日本での太陽光発電の普及は、まさに住宅の屋根にいかに多くの太陽光発電を載せられるかが鍵といえます。
住宅用の太陽電池3種類は、発電効率や価格の面で一長一短あり
住宅用の太陽電池には、主に単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜シリコンの3種類があります。
単結晶シリコンは、耐久性と発電効率は高いが、製造コストが高く価格が高い。多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べ発電効率は低いが、製造コストが安く価格も安い。薄膜シリコンは、高価な原料のシリコン使用が少量で済むことから製造コストは大幅に安く量産化に向きますが、発電効率は上記2つの結晶シリコンに比較して低いなど、3種類の太陽電池には、それぞれ一長一短がありました。
「HIT太陽電池」は既存の太陽電池の長所を併せ持つハイブリッド型
住宅用太陽電池の普及の鍵は、発電効率が高く、価格の安い製品を消費者に提供することです。同じ発電量なら、ソーラーパネル1枚の発電効率が高い方が、屋根に載せるパネル枚数が減り、太陽光発電設置の総コストを低減できます。省スペースでの設置も可能となり設置可能住宅も増加します。
こうしたニーズに応えた画期的な太陽電池として、「HIT太陽電池」(注)が誕生しました。「HIT太陽電池」は、ソーラーパネルの構造が単結晶シリコン基盤上に薄膜アモルファスシリコンを形成したハイブリッド型構造で、単結晶シリコンの長所である高い発電効率と薄膜シリコンの長所である量産化できて低価格の双方の長所を併せ持ちます。また、結晶シリコン型は、真夏などの高温時には発電効率が低下する欠点がありましたが、HIT太陽電池は高温時でも高い発電効率を発揮します。
幅広い温度範囲で発電効率が高く、省スペース、低価格化を実現した「HIT太陽電池」は、新時代の太陽電池として非常に魅力的な商品です。国、自治体の住宅用補助金と余剰電力買取制度(2012年度は10kw未満の住宅用で42円/kwh、10年間買い取り)の利用と相まって、太陽光発電の切り札として今後の普及が期待されます。。
(注)HITは、Heterojunction with Intrinsic Thin-layerを略したもの
(2012.11.9)
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