日本経済:持ち直す消費者マインド指標~インフレ慣れの兆し?~

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最終更新日: 2025年12月1日

実質GDPはマイナス成長も消費者マインドの悪化は底入れ感

 25年7-9月期の実質GDPは前期比年率▲1.8%と6四半期ぶりのマイナス成長となった。住宅投資や輸出の減少は一時的要因によるものが大きいが、先行きの外需環境の悪化には注意が必要だろう。他方、個人消費の回復は物価高を背景に緩慢であったが、足元では消費者マインドが底打ちし、持ち直しの兆しが確認される。食料品など頻繁に購入する品目の物価上昇率鈍化や、トランプ政権による関税発表後の警戒感の後退が背景にあるだろう。

体感物価の上昇にピークアウト感

 景気ウォッチャー調査のコメントをみると、物価上昇率鈍化に伴いネガティブ評価が減少し、節約疲れやインフレ慣れを示唆するコメントが増加している(図表)。日銀の生活意識調査でも体感物価の伸びが鈍化し、消費者がインフレに後ろ向きながらも適応し始めた兆しが読み取れる。
 政府の拡張的な財政政策などインフレーショナリーな要素はあるものの、エコノミストコンセンサスでは来年にかけてインフレ率の鈍化が見込まれ、家計マインドの改善が期待される。こうした下、内需の底堅さを維持していくには企業からの分配、すなわち賃上げ機運を維持することが不可欠である(詳細はレポートをご覧ください)。

(図表)景気ウォッチャー調査におけるインフレ関連コメント付き
低評価数と基礎的支出項目の物価上昇率

日本経済:持ち直す消費者マインド指標~インフレ慣れの兆し?~(446KB)(PDF文書)

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