県内自治体の公共施設マネジメントの現状~個別施設計画の策定状況からみる課題と対応~<2021・07・13>
高度経済成長期に建設された地方自治体の公共施設が更新期を迎えています。政府は、国、地方自治体等によるインフラの戦略的な維持管理・更新等を推進するため、2013年11月に「インフラ長寿命化基本計画」を策定し、それに基づき、16年度末までに全国のほとんどの自治体が「公共施設等総合管理計画」を策定しました。
その後、20年度までに施設ごとの具体的な管理方針を示す「個別施設計画」を策定し、それを反映させて21年度末までに総合管理計画を見直すことになっています。
そこで、当研究所は県内の自治体にアンケートを実施し、68市町村から回答を得、個別施設計画の策定状況や策定上の課題等を分析することで、個別施設計画の策定のポイントを探りました。
県内自治体の個別施設計画の策定状況と課題
個別施設計画の策定状況(図表1)は、「全ての個別施設計画を策定済」が55.9%と最も多く、次いで、「21年度に全ての個別施設計画を完成予定」が 20.6%となりました。21年度末までに全ての個別施設計画の策定が完了する自治体の割合は8割弱の見込みであり、一部の自治体では策定に課題があることが伺われます。
策定の課題を尋ねると、図表2のとおり「老朽化施設の調査・点検・診断の時間」が52.9%と最も多く、次いで「対応する行政職員の不足」(50.0%)、「ノウハウやプロセス等の知識不足」(44.1%)となりました。
個別施設計画策定のポイント
こうした課題を踏まえ、個別施設計画策定のポイントとして、(1)トップの積極的な関与と推進組織体制の整備、(2)ノウハウなどの不足に対する外部の活用、(3)個々の公共施設のデータを図表等で分かり易く示す「見える化」の推進、(4)住民との直接対話の機会の設定、の4つを挙げています。
詳細は、経済月報7月号調査レポートに掲載しておりますので、是非ご覧ください。