県内中小企業のSDGsの取り組み拡大に向けて
~さらなるステップアップを進めている企業の事例から~
<2020・11・10>
 

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最終更新日: 2020年11月10日

  SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年9月に国連で採択されてから5年が経過し、達成期限である2030年まで残り10年となりました。しかし、現状では達成状況に偏りや遅れがあるなどの危機感が表明されています。
そうした中、長野県は19年4月にSDGs推進企業登録制度を創設し、企業のSDGsへの取り組みを促進しています。同制度に登録し、企業価値の向上や競争力の強化等さらなるステップアップを進めている企業の事例をご紹介します。

事例:齋藤木材工業株式会社(小県郡長和町)

 齋藤木材工業(株)は、地元産カラマツを使った集成材を製造しており、19年7月に上記制度に登録しました。SDGsの17ゴールの1つ、「11:住み続けられるまちづくりを」に貢献するため、地域の森林資源を利用した製品の販売を増やすことで地域経済を活性化させ、雇用創出に取り組んでいます。
登録後、同社は企業価値の向上を図るため、さらなるステップアップの取り組みとしてカラマツ集成材のブランド化を進めました。「信州唐松丸」という商標登録を行い、パンフレットや出荷する際に貼るステッカーを作ったほか、カラマツ集成材の新たな用途として小規模店舗用などにユニットハウスも開発しました。これらの取り組みを展示会等でPRし、「信州唐松丸」の販売代理店契約の成約、ユニットハウスの販売増加につなげています。
 「信州唐松丸」という具体的な商標をつくることで、他の集成材との違いを目に見える形にしたほか、ユニットハウスを開発し提案するなど、具体的な製品として見える化して分かり易く伝えました。
 また、製品の背景にある、地元の森林資源を循環させる仕組みなどを、SDGsの視点でストーリー化し、持続可能な経済につながる製品であることもアピールしました。
 

中小企業もSDGsに取り組みさらなるステップアップを

 今後、SDGs はビジネスの標準になります。そのため、中小企業にとってもSDGsの視点は不可欠のものとなります。
 ブランド化や新たな用途開発による製品(商品)化はSDGsの見える化につながります。そして、そこにストーリー性があることがステークホルダーの共感を呼び、ビジネスを活性化させます。経済月報11月号調査レポートでは、このほかにも事例を紹介しています。お取引先でSDGs に取り組む企業にも是非ご案内下さい。


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