働き方スタートから1年< 2020.7.10 >

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最終更新日: 2020年7月10日

 2019年4月に働き方改革関連法が施行されてから1年が経過しました。そして、20年4月からは、中小企業には「時間外労働の上限規制」が、大企業には「同一労働同一賃金」が新たに適用され、対応が求められています。
 そうした中、当研究所ではアンケート調査を実施し、働き方改革の進捗状況を確認するとともに、働き方改革の中核とされている「同一労働同一賃金」の取り組み状況について探ってみました。

およそ2割にとどまる同一労働同一賃金への対応

 「同一労働同一賃金」に既に取り組んでいるとの回答割合は、全体で23.5%にとどまりました(図表1)。
 これを業種別にみたのが図表2です。19年7月に実施した調査(以下、前回調査という)と比べ、「対応が難しいと思われる」とする回答割合は、全ての業種で減少しており、取り組み姿勢は前向きになっています。一方で、「既に取り組んでいる」との回答割合は、全ての業種で前回調査に比べ増加したものの、いずれも3割未満にとどまっています。特に建設業は、回答状況に大きな変化がみられず、「対応が難しいと思われる」との回答割合も26.2%と多くなっています。

図表1 既に取り組んでいる施策

 

図表2 業種別にみた同一労働同一賃金の取り組み状況

取り組みに遅れがみられる中規模企業

 次に従業員規模別にみたのが図表3です。小規模では、「既に取り組んでいる」との回答割合が36.7%と前回調査に比べ21.1ポイント増加しています。ただ、「対応が難しいと思われる」との回答割合も30.0%と、前回調査からの減少は小幅で、企業の対応力に差があることがうかがえます。
 また大規模では、「既に取り組んでいる」との回答割合が32.2%と前回調査から16.3ポイント増加したほか、「対応が難しいと思われる」との回答割合も6.8%と前回調査に比べ13.8ポイント減少するなど、取り組み状況は改善しています。
 一方中規模では、「対応が難しいと思われる」との回答割合が16.0%と前回調査に比べ13.7ポイント減少したものの、「既に取り組んでいる」は19.2%と、前回調査とほぼ同様で、小規模や大規模に比べ、取り組みに遅れがみられます。

図表3 従業員規模別にみた同一労働同一賃金の取り組み状況

(注)小規模は従業員数20名以下、中規模は21名以上300名以下、大規模は301名以上

 

 *詳細な分析結果は、経済月報2020年7月号の調査レポートに掲載しておりますので、ご覧ください。

 

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