スタートした働き方改革~労使一体で生産性向上に挑む~< 2019.8.7 >

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最終更新日: 2019年8月7日

スタートした働き方改革~労使一体で生産性向上に挑む~

 2019年4月に働き方改革関連法が施行されました。これは1947年に労働基準法が制定されて以来、実に70年ぶりの改革となります。企業は、働き方の見直しやさらなる生産性向上に向けどのように取り組んでいるのか、法施行後3カ月が経過した県内企業の取り組み状況について把握するためアンケート調査を実施し、進捗状況を探ってみました。

法対応を中心に取り組みが進んでいる

 「既に取り組んでいる施策」では、今回の法改正に対応した「休暇取得の促進」(75.1%)、「労働時間の適正な把握」(58.4%)、「労働時間の短縮」(53.6%)や、育児・介護休業法への対応として「育児支援(休暇制度等)」(68.8%)と「介護支援(休暇制度等)」(56.8%)、高年齢者雇用安定法に基づく「高齢者の雇用促進」(59.0%)などの取り組みが上位となりました(図表1)。
 「今後力を入れていきたい施策」では、「定年の引き上げ・廃止」(58.3%)が最も多く、次いで、「労働生産性の向上」(54.9%)、「仕事の進め方の見直し」(53.3%)、「同一労働同一賃金」(50.8%)などとなりました。

図表1 働き方改革の主な施策の取り組み状況

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成果がみられる有給休暇取得や長時間労働の抑制

 「既に出ている成果」では、「有給休暇の取得率向上」(68.8%)、「長時間労働の抑制」(66.3%)、「高齢者、女性など多様な人材の活躍」(46.7%)などが上位となりました(図表2)。これらは、図表1の「既に取り組んでいる施策」で回答の多かった「休暇取得の促進」や「労働時間の短縮」、「高齢者の雇用促進」などの成果と言えます。
 「今後出したい成果」で、上位となっている「より優秀な人材の確保」(70.7%)、「従業員の満足度向上」(61.6%)、「従業員のモチベーション向上」(59.3%)は、生産性向上の土台となる項目ですが、成果は道半ばといった状況でした。

図表2 働き方改革の主な施策の成果

社内で意識を高める工夫が求められる

 「働き方改革を進める上での課題」では、「業務量に対する人員不足」(46.5%)、「従業員の意識改革」(45.8%)、「取り組みに対するノウハウの不足」(36.5%)、「管理者の意識改革」(34.0%)などが上位となりました(図表3)。人員やノウハウの不足のほか、従業員や管理者の意識改革が課題として挙げられています。働き方改革は始まったばかりと言えますが、そのため意識付けが社内で十分にできていないとみられます。

図表3 働き方改革を進める上での課題

 *詳細は、経済月報2019年8月号の「スタートした働き方改革~労使一体で生産性向上に挑む~」に掲載しておりますので、ご覧ください。

 

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