製造業がけん引する設備投資、中小企業は増産投資が目立つ

~2018年度設備投資動向調査結果から~

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最終更新日: 2018年7月11日

製造業で大幅な増額計画

 当研究所が実施した2018年度の長野県内企業の設備投資動向調査(当初計画)によると、全産業の計画額は、前年度実績見込比+21.9%の大幅な増額計画となりました。業種別では、製造業は前年度実績見込比+28.5%、非製造業は同+6.0%となりました。増加計画の大きな製造業に焦点を当て企業規模別などに分類して18年度当初計画の特徴を分析しました。

大企業は積極方針、中小企業はやや慎重 

  企業規模別(中小企業基本法により分類)でみると、投資額は、前年度実績見込額に比べ、大企業が+29.8%なのに対し、中小企業は+24.8%となりました。さらに投資方針をみると、「積極的な投資方針(かなり積極的+やや積極的)」は、17年度に比べ大企業が3.6%ポイント増え89.7%となった一方、中小企業は8.4%ポイント低化し60.3%となるなど、大企業は積極的ですが、中小企業は、やや慎重な姿勢にあります。

大企業では情報化・IT化が年々増加

 主な投資目的を企業規模別にみると(図表1、2)、大企業では、「省力化・合理化」投資が引き続き高いほか、特徴的なのは「既存製品等の増産」の増加と、「情報化・IT化」の3年連続増加です。IoTを活用するなどして課題に対応することは、第4次産業革命として世界の潮流となりつつある中にあって、大企業は「情報化・IT化」投資を計画的に進めているとみられます。一方、「新製品対応」は15、16年度と4割の企業が進めましたが、17年度以降は減少傾向にあります。 

増産投資の急増が目立つ中小企業    

 中小企業では、「省力化・合理化」投資の割合が低下はしているものの引き続き高い水準となりました。
 最も特徴的なのは「既存製品等の増産」が17年度に比べ倍増し「省力化・合理化」を上回ったことです。半導体関連需要の世界的な拡大を受け、県内企業も受注が急増し、慎重な中でも積極的な増産投資を行っています。一方、「情報化・IT化」、「製品高度化」への投資は、「既存製品の増産」が増えたため相対的に低くなっています。

将来の競争力強化に向けた投資

 県内の製造業は、世界経済の拡大を背景にした業績の回復もあり、「維持・更新」や「既存製品等の増産」投資を増やしています。ただ、中小企業は大企業と異なり、将来の競争力の強化につながる「情報化・IT化」や「製品高度化」といった投資の割合が伸びていないことは気になるところです。
 世界では第4次産業革命の中で、攻めの投資を推し進めている企業も多くあります。今後、県内中小企業においては、将来の競争力強化に向けた投資がさらに必要となってくるでしょう。
 調査結果等は、経済月報7月号のトピックスに掲載しておりますので、是非ご覧ください。

 

  

 

 

 

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